設立趣意書
1 趣旨
網走支庁管内は、阿寒、知床の2つの国立公園、網走国定公園、斜里岳、天塩岳の2つの道立自然公園などのすぐれた自然を有しているほか、オムサロ原生花園やチミケップ湖などの身近な自然や農村風景が広がっています。
また、春のフクジュソウやミズバショウをはじめハマナスやエゾカンゾウなどの花が咲き、湿原ではシギ・チドリ類やヒシクイ、草原ではノビタキやシマアオジなどの小鳥を見ることができます。
さらに、オホーツク海は、世界で最も低緯度に位置する季節海氷域で、当地域は流氷が接岸する南端地域にあり、流氷とともにアザラシやクリオネなどがやって来ます。
このように、網走管内には、日本の他では見られない多種多様な自然が存在しており、それを楽しむために、年間1070万人にものぼる観光客が訪れています。
しかし、これらの自然は脆弱なものであり、無秩序に利用すれば自然破壊につながります。
そこで、先人から受け継いだこの自然を次の世代に引き継ぐ使命を持つ私たちが、自然の賢明な保護と利用をもって接していかなければならないと考えております。そのためには、自然から受ける恵みや営みなどを広く学んでもらい、この自然環境の保全の意義を感じ取ってもらうことこそが肝要と考えております。
このようなことから、地域住民には自分が住む地域の再発見を入り口に、観光客には豊かな自然との接し方を入り口に、環境保全を推進したいと考え、設立するものであります。
2 経緯
網走支庁管内には、年間1070万人もの観光客が訪れます。その観光資源は雄大な自然であり、身近な自然です。しかし、残念なことに、多くはその自然を眺めるだけで、足早に通り過ぎていくのが現状です。また、貴重な植物群落に入り込んだり、動物に不用意に近づいたりするのを見かけることもあります。
私たちは、以前からみんなの力を結集し、自然豊かな自分たちが住むこの地域の良さを、地域住民や観光客に深く知ってもらいたいと考えていました。
今回、一致協力して地域の重要な資源である自然を適切に保護し利用して行く必要性を痛感し、かつ、もっと自然のことを分かって欲しい、恵みを受けて欲しいとの願いが生まれ、地域ぐるみでの取り組みが必要であるとの認識に立ったわけであります。
また、自然の保護と利用には、これまでは行政に頼ることが多く、今日においては、財政的に逼迫してきている現状にあり、本会が、社会貢献の一つとして、これに参画していきたいと考え、特定非営利活動法人を設立することとしました。
平成17年5月28日
特定非営利活動法人
網走ねいちゃあいんふぉめいしょん